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【婚礼での謝礼】チップや心付けを渡さなかったらどうなるか

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海外では当たり前のチップ。日本のホテルでは必要ないですね。

その理由、ご存知ですか?未だに婚礼でのスタッフへチップを払うべきか否かの質問はネット上でも多い印象です。

今日はその質問に終止符を打ちます!

 どうもイトカクです。

結婚式はおめでたい行事です。

その幸せのおすそ分けとして、また感謝の意味を込めて手渡す謝礼(チップ)。


これはだいたいいくらくらいが相場なのでしょう?
スタッフの人に聞くわけにはいかないし、迷いますよね。

 

過去に2000組の披露宴を担当した僕が
お答えいたします。

ずばり0円。

必要ありません!


世間でいわれるチップの相場

私も仕事がら、たくさんのブライダル情報誌やマニュアル本を目にしますが、いまだに「チップの相場はいくらくらいです。」と書いてあるのに驚きます。その一例は・・・。

 

  • 司会者:3000円
  • 会場サービス員:責任者には3000円。配膳をするスタッフには1000円ずつ。
  • 介添え:3000円
  • ヘアメイク:3000円
  • 着付け:3000円
  • カメラマン3000円
  • 音楽演奏者:3000円

アホか。


このようなことを堂々とマニュアル本などが書いてしまったら、やはり皆さんはそういうものだと思ってしまいますよね?

危なく余計な経費が出るところでした・・。

 

恐らくこんなことを書いたり、言ったりしている人は式場関係者か、まったくど素人でしょう。

チップをもらいたいがためにこんなアホな相場を流布しているとしか思えません。

 

かつての日本では

そもそも日本では「お心づけ」として謝礼を渡す習慣がありました。
海外でいう「チップ」に似たようなものです。

そのチップの文化も日本に入り、かつては日本のホテルでもチップは盛んに行われていました。


僕の20才くらい上の先輩ホテルマンは、お給料よりチップのほうが多かった月もあったそうです。

1980年位まででしょうかね。

 

そして、自然とホテルスタッフもチップをもらうために必死に過剰サービスをし、お客をスタッフ同士取り合いをする事態になってしまいます。
そして、表にいるウェイターは自分の給料以外にチップ収入があったため、厨房や裏方スタッフから不満の声があがります。

同じお客様に奉仕しているのにもかかわらず、なぜ表スタッフばかりが得をするんだと。

その問題を解決するためにあらかじめ利用料金額のなかに組み込ませようと考えました。

それが「サービス料」というものです。

 

僕が聞いた話では帝国ホテルが初めて導入したらしいです。

これはほんと真実はわかりません。

 

サービス料

ホテルなどで食事をしたり宿泊すると「サービス料」、そして「消費税」。これらが加わり意外に値段があがった経験はありませんか?

「消費税」はまだしも「サービス料」って何か特別なサービスされたっけ?と思いますよね?

これこそが先ほどのチップ紛争の解決策だったのです。知ればなんとも強引な打開策です。
だって、チップをあげたくなるようなよいおもてなしだったならいいんですが、そうでなくクレームを言いたいときにも強制的にサービス料、つまりチップを無条件で払わされているのです。

 

このサービス料というものは本当にグレーな料金制度で、日本独特なものです。

大体料金の10%が相場とされていますが、法的にもきちんと定められていないのです。

10%ってそもそも法外だと思いませんか?

1割ですよ?しかも消費税も加われば18%ですよ。

 

披露宴で300万だったら54万円ですよ!

※式場によって異なります。

 

一般的にサービス料は料理を運ぶスタッフの人件費などという名目になっていますが、式場によってその対象となる品目は様々。

 

席次表や会場費などにもかかる式場もあります。

 

これもよくわからないですよね。

もう式場側の言い値みたいなものです。

 

また、事前の料金提示なく注文後にサービス料を請求しているようなケースでは信義誠実の原則(民法1条2項)により客はサービス料の債務責任を負わないとなっています。

 

ま、これはキャバクラなどのボッタクリなんかを想定してるんだと思いますが、当然ホテルも同様です。

 

メニューや入り口などにサービス料の提示はしていたりします。

また、披露宴はサービスを受ける前に支払う前金制がほとんどですから、あまり適用はされないとは思いますが、念のためご承知置きを。

 

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だからチップは不要

話は戻りますが、

今までのことからホテルでのチップは一切必要ありません!

 

結婚式で謝礼を払うのは2重でチップを払っていることになります。

 

これをマニュアル本や情報誌が当たり前のように、しかも金額まで明記しているなんてありえません。ちなみに私の勤務してたホテルではチップは丁重にお断りすることになっています。


さらに言えば、

チップもらっても特別なことしてあげられる力なんてスタッフにはありませんから!

 

考えてみてください。

 

当日の料理内容も決まっています。

チップもらったって「肉、少し厚めにしときました」なんてできません(笑)

 

会場の演出も決まっています。

チップもらったって「照明、いつもより明るくしときましたから」なんてできません(笑)

 

司会者も進行決まっています。

チップもらったって「今日は特に泣きの盛り上げしますから」なんてしません(笑)

 

カメラも業者です。

チップもらったって「いつもより2倍フラッシュたいときましたから」なんてしません(笑)

 

ヘアメイクも事前に決めましたよね?

チップもらったって「いつもより美人にしときましたから」なんて・・・

いや、それ失礼でしょ。

 

各スタッフは通常の料金で儲かる様に請求してますから。

それにチップなんてもらったら、いいカモです。

 

僕の経験上、チップを渡してくる方は10組に1組くらいかな。

 

どうしても渡したい!

やはり結婚式は一生に一度のめでたい日。両家にとってもこんな晴れやかな日はありません。
当日本当に気持ちの良いサービスだったり、もっとお礼をしたいとき、サービス料という存在を知っていて、あえて謝礼を手渡すというのは悪いことではありません。


もらった方もやはりうれしいもので、いつも以上にがんばるかもしれません。

あくまで精神的に。

打ち合わせを親身になって考えてくれた担当の方に、どうしてもお礼がしたいなんてこともあるでしょう。その場合は現金でなくちょっとしたお菓子なんかを贈ればいいので

はないでしょうか。
これはあくまで経済的に無理のない範囲で。

僕なんかもよくお礼をいただいたりしますが、それより無事披露宴が終わった後日、お顔を見せに遊びに来ていただいたり、新婚旅行先からの1枚の葉書や出産報告をいただけるだけで大満足です。これは、どの担当者も同じ思いではなでしょうか。

あ、当日会場の担当スタッフに「これ、みなさんで冷たい物でも」なんて渡しても、

ほとんどが自分の財布に入れますからね。これは本当。

 

どうしてもスタッフ全員にということでしたら、

出来るだけ多くのスタッフに聞こえるくらいに大きな声で、目立つ様に渡してください。そうすると、その渡されたスタッフも山分けせざるをえませんから。

 

あと、ご友人や知人に司会や受付、カメラマンなんかをお願いした時は別ですよ!
「お車代」や「お礼」として包むのがよいでしょう。金額はさまざまです。それこそマニュアル本を参考にしてみては?