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【BPOはいらない】理想の番組がテレビ業界破滅へ突き進むことに気づいてないのか?

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どうもイトカクです。

昭和50年代生まれの30代です。

今日は近年よく聞くBPO(放送倫理・番組向上機構)について書きます。

バラエティ番組がよくこのBPOの審議入りしているニュースが多いですが、

僕の年代はテレビっ子という世代のギリギリなんじゃないでしょうか。

おそらく、「8時だよ!全員集合」派と「おれたちひょうきん族」派に別れるよねーという話題についてこられる世代ですね。

兄弟なんかがいたりするとお兄ちゃんは「おれたちひょうきん族」派というパターンが多いです。

 

学校から帰るとまずはテレビをつけて、夕方のドラマ再放送を観る。

夕飯食べてる時も、風呂から上がってからも、寝ながらだっていつもテレビを観てました。翌日の学校でも前日のテレビ番組について語り、猪木がどうした、巨人が勝った、さんまが面白いだの友人との話題にはいつもテレビでした。

 

人間、毎日稽古や訓練をしていると上達するものですが、なかなか続きません。

それを乗り越えられた者だけが特別な能力や技術を得られる。

そういった意味ではテレビ本当に毎日必ず観ていましたし、もう何十年も続いています。

今の僕の骨肉はテレビでできていると言っても過言ではありません。

コミュニケーション力、知識、価値観など。社会人になった今でもその根底にはテレビの影響があると思っています。

 

そんな僕にとっては母のようなテレビが近年様子がおかしい。

BPOなるものが幅を利かせ、局も萎縮するあまり番組が実に均一当たり障りのない、また番組内謝罪が多くなりました。

 

BPOって何?

そもそもBPOとは何でしょう?

放送倫理・番組向上機構と言いますが、NHKと民放連が出資し設立運営されている組織で、「視聴者の苦情に対応するための第三者機関を設けるべき」という意見からできました。

目的としては、

BPO規約第3条に「本機構は、放送事業の公共性と社会的影響の重大性に鑑み、言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的とする」

とあります。

 

要するに、俺たちテレビの影響力大きいからちゃんとやろうぜということでしょうけど、この頃のテレビ業界はイケイケ全盛期でしたから、世の常としてあまりにもウハウハな者は疎まれ、妬まれの対象になりやすいので、そろそろこの辺りで「ちゃんとやってます感」をアピールしたんじゃないかと思います。

 

広告収益で成り立っていますから、その広告主へのアピールも大きかったのかもしれません。

 

このBPOは以下3つの委員会から成り立っています。

  1. 放送倫理検証委員会(やらせとかないよね?)
  2. 放送人権委員会(人権侵害してないよね?)
  3. 青少年委員会(子供に悪影響ないよね?)

そして、実際審査するメンバーは弁護士やジャーナリスト、映画監督、教授など様々。

 

1、2の委員会はやらせや人権侵害系を監視しているものなので、僕もある程度やった方がいいとは思います。

ただ、最近目に付くの3の青少年委員会の事案が実にくだらない。

 

言いがかりでしょBPO

ネットで調べればたくさん出てきますが、お笑い番組に関するBPO審議入りは大抵この青少年委員会事案です。

 

その内容は

  • ゲームの罰ゲームがいじめを連想させる
  • コントで「何かを飲むと身体に異常が出るキャラ」がアトピーやアレルギー患者を冒涜している
  • 女性へのツッコミやイジリがセクハラ
  • 深夜帯のお色気番組は夜更かししている中高生もいるのでNG
  • 血液型による性格判断などは差別に繋がる

 

アホなのですか?

 

ここまでくると言いがかりとしか思えませんね。

何とでも言えます。

 

ピン芸人のR-1グランプリだって、たったひとりの人間を大勢で笑う姿がいじめを連想させるとか、お笑いレースでローション坂をのぼるのもアダルトを連想させるとか、芸人のツッコミ行為そのものが暴力だなんて言い出しますよ。

 

お笑いの要素

素人ながらに笑いの要素とは、

非現実的、ばかばかしい、突拍子もない、滑稽だったりすると思いますが、それらを人は面白いと感じているわけです。

 

熱湯風呂だって、ハリセンのツッコミだって、普段僕らの生活にはないです。

会社に行ってミスをしても熱湯風呂やハリセンで突っ込まれたりはしません。非現実的という要素があるから面白いんです。

いや、笑いの好みはこの際置いておいて。

 

それを暴力だ、セクハラだ、いじめだという物言いはそもそもズレていて、テレビに出ている人たちはそれを自ら望んでやっているんです。

彼らは笑い者にされているわけではなく、笑わせるためにテレビに出ているんです。

 

逆にBPOの理想のお笑い番組ってどういうものなんでしょうね。

「笑点」だってだめですよ。座布団の数で人の価値を計るなんて人権侵害です。

 

BPOは一体誰のためのもの?

そもそもこのBPOは一体誰が得しているんでしょう。

設立当初はテレビ局がちゃんとやってます感のブランディングや対外アピールの要素が強かったでしょうから、局にとって少なからず恩恵があったと思います。

 

ただ、今やその影響は逆効果。まさに自分の首を絞める存在になっています。

 

2007年6月20日衆議院決算行政監視委員会において、民放連の広瀬道貞会長(当時)は「放送事業者は、いわば、BPOの判断というのは最高裁の判断みたいなもので、ここが判断を出したら、いろいろ言いたいことはあっても、すべて守っていく、忠実に守っていく、そういう約束の合意書にNHK及び民放各社がサインをしてBPOに提出しております」と述べている

確かに、今や局にとっては最高裁ですね。

 

では、局のためでないのであれば誰のためのものか。

視聴者?

いやいや、違うでしょ。

 

皆さんの中で、局にクレームの連絡した方ってどれくらいいますかね?

おそらくほとんどいないと思います。

多分、同じ人が何回もクレームを言っている可能性が高いでしょうから、そうなれば「視聴者からの苦情」というのはほんの一部の同じ人の意見に大きく振り回されていることになります。

 

もし、100人中1人がけしからんと思ったけど、残りの99人が面白いと感じた場合、それでもBPOや局は審議の対象にするんでしょうか。

たとえそうなら馬鹿げてますね。

一人に合わせて番組を作っていたら、残りの99人はテレビを観なくなります。それを繰り返した結果が今の「テレビ離れ」。

自分たちで破滅の道へと突き進んでいます。

 

テレビ局が本当に怖いのはBPOでなく、広告主です。

広告主も番組の内容が悪ければCMは控えるでしょう。

しかし、広告主の目的は良い番組を作ることではありません。

 

出来るだけ視聴者に商品(サービス)を認知してもらうことです。

 

極論、番組が粗悪でも視聴率が50%ならCMを流すでしょう。

不買運動が起こる可能性はありますが、そもそも視聴率が高いということはそれだけ視聴者へ商品を告知リーチできるということです。

 

先ほどの苦情を言った一人に合わせて番組を作り、視聴率が低くなった番組には広告主も出稿しないでしょう。

 

なんかアホな循環になってますよね・・・。

 

一部のクレーマー

BPO騒ぐ

テレビ局焦る

番組つまらくする

テレビ離れ

広告収入減

 

 

つまり、BPOは一人のクレーマーのためにあるんじゃないかと思うんです。

 

それ以外だれも得してません。

 

不快に思う人はその番組を観なきゃいいんです。

もしかして、今のテレビ離れの原因が「不快に思った人が離れていった」と思っている!?

いやいや、テレビ見ない人の数はそんな程度じゃないですよ。

前途の通り、つまらなくなったからです。

一部の人のせいでつまらなくなったテレビを今まで見ていた人たちが見なくなったんです。

 

昔のテレビは常についていて垂れ流しでしたので、有害な番組に子供が触れてしまう確立は高いのかもしれません。

でも今は違います。

ネットが普及し、僕らがコンテンツを楽しむデバイスの選択肢は広がりました。

 

なので、テレビが有害だと思うなら観なきゃいいんです。

クラシック音楽や好きな映画を観てればいいんです。

そもそもテレビは視聴料取ってませんからね。

さらに放送局が出している電波を視聴者は自ら取りにいってるわけです。

それで、有害な内容だと苦情を言うって正気の沙汰とは思えません。

 

狂ってます(笑)

 

テレビ局が復活する方法

一度冷静になってテレビ局も昔のような番組作ってみてはどうか。

クレーマーは完全無視。BPOも解散。

視聴率を回復させて、広告主がどうするかをみてみる。

おそらく視聴率がいい(多くの人に商品を認知できる)媒体であれば、出稿してくるはずです。

 

東日本大震災の時のテレビCM自粛現象は日本らしいといえば日本らしいですが、あれはあきらかにやり過ぎでしたね。

 

実際、CMを流したら大規模な不買運動が起こったでしょうか?

広告収益があるからこそ局も多くの取材ができ、視聴者は震災の状況を知る事ができます。おそらく初めてのことで各広告主も様子見を続け、それがどんどんエスカレートして最初の出稿が出来なくなってしまったんだと思います。

 

どこの企業のマーケティングも画一的というか、右習えでつまらないですね。

この人たちがもっと攻めのスタンスであれば、テレビ局も昔のような尖った番組を作れるのかもしれませんね。

 

BPOの基準が間違っている理由

僕らが子供のころの番組は今だと間違いなくアウト。

BPO的には有害な番組に当たりますね。

 

では、その有害な番組を観て育った僕らは極悪人なのか?

 

たしかに、聖人君子とは言いません。

でも、それなりに理性や常識もあると思っていますし、子供3人作って必死で働いて育ててます。

 

今、BPO基準で作られた番組を放映するようになって、犯罪や事件が減少したり学力向上したり、いじめ減ったりしたんでしょうか。

 

相変わらず猟奇的な事件や痛ましいニュース。

ネットなどの影響もあるかもしれません。

 

どれだけテレビ番組を聖書のようなものにしたところで、ネットでは様々な過激な情報が見れます。若者はむしろネットに触れる機会の方が多いでしょうから、テレビの自粛はあまり効果はないです。

 

もう一度、あの頃のような面白い番組を観れるようになってほしい。

広告収益モデルは限界なのかもしれませんね。視聴者課金にして広告主に媚びない。

それでAbemaTVなんかが支持されているのか。

 

テレビ局はいよいよヤバいです。

一人のクレーマーや目的がよくわからない謎の組織BPOに振り回されてる場合じゃないです。

 

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現場からは以上です。